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NMNはどのような美容効果が期待できるのか?おすすめの摂取方法も解説

NMNはどのような美容効果が期待できるのか?おすすめの摂取方法も解説

この記事では、NMNと老化予防の関係をはじめ、期待できる効果や摂取量の目安、NMNが含まれる食品についてご紹介します。

【この記事の監修者】

監修者プロフィール

井林雄太(いばやし・ゆうた)

総合病院勤務。大分大学医学部卒。日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。

Contents

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、抗老化作用がある成分として注目されています。しかし、その効果やメカニズムはいまだ明らかになっていない部分も多く、現在も世界中で数多くの試験が進行中です。

もちろん、NMNの美容効果に関する研究も例外ではありません。この記事では、明らかになりつつあるNMNの美容に対する効果のほか、摂取方法や美容効果を期待する場合の注意点などを解説します。

NMNが美容にどのような効果を持つのか

NMNが抗老化作用を発揮する際に欠かせないのが、NMNから生成されるNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)と呼ばれる成分です。

NAD+は細胞のエネルギー産生に欠かせない成分で、加齢にともなう変化をコントロールするサーチュイン遺伝子(別名:長寿遺伝子)の活性化にも関与しています。つまり、体内に取り込まれたNMNは速やかにNAD+に変換され、身体機能の改善や抗老化作用を示すと考えられているのです。

それでは、NMNは美容、特に肌に対してどのような効果を持つのでしょうか。

国内外で行なわれたヒトの皮膚培養モデルを使用した研究によると、NMNには肌トラブルの改善や新陳代謝の活性化などさまざまな効果が期待できると考えられています。

化粧水(美容液)を使うことで肌トラブルの改善

ヒトの皮膚培養モデルを使用した試験では、     NMNを皮膚に与えることで以下のような効果が確認されています。

・NMNによる皮膚の抗老化作用

NMNの5%水溶液をヒトの皮膚培養モデルの角質層側に添加したところ、24時間後に細胞内のNMN量が約100倍、NAD+量が約4倍に増加しました。また、NMNの添加で天然保湿成分の合成に関与する酵素の発現が誘導される結果も得られています。

これらのことから、NMNを表皮に塗布してサーチュインを活性化すると、天然保湿成分の産生がうながされ、皮膚の老化を抑えられる可能性があることが示唆されました。

・皮膚の色素沈着に対するNMNの効果

若いメラニン細胞と老化したメラニン細胞にNMNを作用させたところ、若いメラニン細胞は特に変化がなかったものの、老化したメラニン細胞ではメラニンの生成が著しく減少しました。また、NMNは、老化したメラニン細胞を含むヒトの皮膚培養モデルでメラニンの生成を効率良く減少させています。このメラニン生成抑制作用は、RNAレベルで起こっていることも報告証明されました。

これらの結果から、NMNは加齢にともなう肌の色素沈着の改善に役立つ可能性があると考えられます。

このように、NMNを肌に直接塗布した場合の作用は、次々と報告されています。肌の老化やシミが気になる場合は、NMN配合の化粧水や美容液としてを取り入れることを考えても良いかもしれません。

サプリメントを摂取することで新陳代謝の向上

NMNをサプリメントで体内に取り入れた場合、どのような美容効果が期待できるのでしょうか。

NMNを口から摂取すると、体内で速やかにNAD+へと変換され、さまざまな抗老化作用を発揮すると考えられています。その一つが新陳代謝の向上です。

新陳代謝の向上は、若々しく美しい肌を維持するために欠かせない要素といえます。

新陳代謝が良くなり、肌のターンオーバーサイクルが整ってくれば、肌荒れや毛穴詰まり、ニキビなどの肌トラブルが少なくなるでしょう。また、ターンオーバーが順調になると、肌が美しく健康的になってきめも整ってくるため、ハリ・ツヤがアップする効果も期待できます。

サプリメントと化粧水(美容液)で得られる効果が異なるので注意

サプリメントと化粧水や美容液では、得られる効果が異なるため注意が必要です。

化粧水や美容液は肌には浸透するものの、経口に比べると体内にはあまり取り込まれません。そのため過剰な使用でない限り、NMNを含む化粧水や美容液を肌に塗布した場合の効果は、肌細胞内のNMN・NAD+量の増加と局限的なサーチュインの活性化、メラニン生成抑制などにとどまりますると考えられます。

一方、サプリメントや食品などからNMNを摂取する場合、NMNの抗老化作用は肌のみにとどまりません。体内に取り込まれたNMNがNAD+に変換され、エネルギー産生や細胞・組織の機能改善をサポートするため、結果としてさまざまな美容効果が期待できまする可能性があります。

NMNはどうやって取り入れるのがいい?

NMNを継続的、かつ手軽に取り入れる方法としては、化粧水や美容液などの塗布、食事やサプリメントからの摂取などがあります。

それでは、美容目的でNMNを取り入れる場合、どのような方法が適しているのでしょうか。それぞれの方法を比較してみましょう。

お手軽なのは化粧品(美容液)

手軽さを優先するならば、NMNを含む化粧水や美容液を利用するのがおすすめです。

もちろん、化粧水や美容液を肌に塗布してもNMNは体内にあまり取り込まれません。効果は限定的ですが、NMNを塗布すると肌細胞内のNAD+量の増加が期待できるため、肌トラブルの抑制につながる可能性がありますでしょう。年齢にともなうシミやしわを改善したい方、肌のハリやツヤを取り戻したい方にもおすすめです。

なお、NMN配合の化粧品は多数販売されていますが、NMNの純度や配合量は製品ごとに異なります。購入の際は、成分の純度や配合量、添加物も含めた成分の内容、第三者機関によるチェックの有無などを確認して、信頼できるメーカーの製品を選ぶようにしてください。

食品からも摂取可能

NMNは食品からも摂取できます。NMNを多く含むのは、枝豆やブロッコリー、キュウリ、キャベツなどの野菜類です。

しかし、これらの食品に含まれるNMNはごくわずかで、含有量が多いとされる枝豆でも、100mgのNMNを摂取するためには21kg(約33,000粒)を摂らなければなりません。さらに、NMNは熱に弱く、野菜などから摂取する場合は加熱を避ける必要があります。

そのため、日常の食事だけで十分なNMN量を確保しようとするのは、効率の観点からするとおすすめできません。

https://corp.abeyoando.co.jp/journal/nmn-food

効率良くNMNを体内に取り入れるには、サプリメントの利用を考えるとよいでしょう。サプリメントも、さまざまなメーカーから販売されています。こちらも、純度や含有量などを客観的に証明する資料を提示しているメーカーからの購入をおすすめします。

NMNの美容効果を期待する際の注意点

ここからは、NMNを美容目的で摂取する際の注意点を見ていきましょう。

NMNは抗老化効果が期待できる栄養素

NMNは、肌に対する作用がいくつも報告されていますが、その美容効果は抗老化作用にともなうものと考えられています。

また、NMNによるメラニンの生成抑制作用も報告されていますが、この効果が特に認められたのは老化したメラニン細胞です。

このようなことから、NMNは抗老化作用にともなって美容効果が得られる栄養素といえます考えられます。

世代により効果の実感に差が出る可能性がある

マウスなどの動物を対象とした研究では、健康な若い世代にNMNを投与しても大きな変化は見られませんでした。一方、中高年世代のグループでは、NMN投与群と非投与群で差があらわれたとのことです。

ヒトの場合、NMNもNAD+も加齢にともない体内量が減少し、中高年になると若い頃の半分程度まで減るといわれています。そのため、年齢による変化を感じ始める世代の方がNMNを取り入れると、若い世代の方に比べてより高い抗老化作用や美容効果を実感できると考えられます。

とはいえ、体内のNMN量には個人差があります。若い世代の方でも年齢による変化などを感じる場合は、予防的にNMNを取り入れることをおすすめします。

まとめ

NMNは体内で速やかにNAD+に変換され、抗老化作用をはじめとしたさまざまな効果を発揮します。また、近年の研究報告によると、肌トラブルの改善や新陳代謝の向上にともなう美容効果なども期待できるようです。

ただし、NMNの摂取方法によって得られる効果は変わってきます。肌細胞に直接働きかけて美容効果を得たい場合は、NMN配合の化粧水や美容液などを選ぶべきでしょう。また、体の内側から若々しさを取り戻し、結果として美容効果を得たい場合は、サプリメントなどの食品からNMNを摂取することをおすすめします。

NMNの効果をより実感しやすいのは、年齢による変化が気になり始める年代の方だと考えられていますです。これからの人生をより美しく生きるために、NMNの摂取を考えてみてはいかがでしょうか。

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